2015/05/23

「長崎の聖母」 ボストン公演 ④

5月20日

今日はいよいよアメリカでの最終公演。
午後2時にホテルを出発して、昭和女子大学ボストン校へ。

レインボー・ホールが会場です。
十数年前の初演会場、長崎・浦上天主堂の雰囲気を思い出し、身が引き締まる。





















午後3時頃より聖歌隊との打合せ。
シスターの皆様の澄み切った歌声に聴き入る。

このボストン公演では、NYより人数が4人減ったため、演出が多少変わり、私も仕方を変えなければならないところが発生。
聖母の舞の前の「哀れみたまえ」の部分で正先へ出て、なにか型をしなければならないのですが、掌を合せて祈ってしまうと、祈る型ばかりになるので、どうしていいのか分からず、思い切ってシスターに助けを求めると、シスターから「右手を心臓に当ててほんの少し下を向いたらどうですか?」とのご意見を頂戴。本当に救われた気がしました。


午後4時過ぎより、通しリハーサル。
もう最終日だというのに未だ時差ボケが治らない自分。
リハーサル時の体調は最低で、セリフの絶句や言い間違えを連発。
字幕の係りをなさっていた現地在住でオペラ等の翻訳家の三浦真弓様には、大変ご心配をおかけしました(笑)

しかし!間の時間にいただいた差し入れの太巻きとおいなりさんで復活!
本番は集中力を高めて、ちゃんとやりましたよ!
 


「長崎の聖母」はNYで3回、ボストンで1回の計4回。
まだまだ演者が試行錯誤しながら、より進化させていこうとする気持ちの表れからか、この昭和ボストン校での公演が、今回の集大成になった気がします。
でもこれが最終形のはずがありません。まだまだ変わっていくのでしょう。

NYでの公演がけっして劣っていたわけではありませんよ。
能は一期一会。演者が良いと思っても、客席から見るとまた違うかもしれませんし、お客様の評価によっても・・・



今回の公演は、団長の意思でカーテンコールは一切なし。
その変わりボストンでは、この公演に携わって来られた方々へ感謝の気持ちをお伝えするため、終演後ロビーにてお客様も含めてお話しをしたり、写真を撮ったりして、交流の時間を作らせていただきました。



その後市内に移動して打上げ。
「Leagal Sea Food」にてオイスターやクラムチャウダー等を堪能。
さすがboston! 絶品! ご馳走さまでした。












翌朝は10時半過ぎに、リムジンバスにてBoston ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン空港へ。長い名前ですね~。

JREXの青谷様、八代様、最後のお見送りまで、本当にお世話になりましたm(__)m
13時30分発、JL007便にて成田へ。定刻に無事に到着。







この公演でお世話になりました皆様へ改めて。

私は団長の清水師からの依頼で参加させていただいたものですが、初演よりワキ巡礼者を勤めているものとして御礼を申し上げさせてくださいませ。


10日以上に亘るNY&Boston公演。無事成功裡に終えることができましたのも、偏に公演の実現に携わってこられた皆様のおかげです。
NYではJapan Society始め大勢の皆様。特に塩谷様、お疲れ様でした。
BostonではJREX、ボストン日本女性の会、他様々な部門でお世話になりましたボランティアの皆様、心より御礼申し上げます。
日本でも長崎市を始め、寄付金を賜った皆様、まだまだ私の知らないところでお世話になっている方々が大勢いらっしゃるのでしょう。
星槎大学副学長の細田様にも御礼申し上げなければなりません。

すべての皆様に、心より感謝申し上げます。


これほど皆様の公演の成功を願う気持ちが伝わった公演は初めてです。

役者冥利に尽きます。

戦後70年。
図らずもNYでは核不拡散条約の再検討会議がなされている間での公演、ボストン本公演は勿論、原爆が作成されたマサチューセッツ工科大学(MIT)や世界の癌研究の最先端、ダナ・ファーバー癌研究所にてのワークショップなど。
大変意義深い事と存じますし、改めて世界平和を祈らずにはいられません。


清水団長はじめ同行の楽師の皆様、有難うございました。


最後になりましたが、皆様の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。





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