2020/04/21

辨松閉店 残念です!

能を志し東京に出てきて、都内の能楽堂の楽屋弁当の豊富さに、田舎者の私は先ず驚きました。
お店によって味が違い、楽屋働きで師匠のお供をする私の楽しみの一つでした。

辨松のお弁当は若い頃の自分には甘さが強すぎて、少し苦手なお弁当でした。
でも年齢を重ねるにつれ、その甘辛さがとっても美味しく感じられ、50歳を迎える頃には、大好きなお弁当の仲間入り。

能楽師にとって楽屋弁当と言えば、代々木上原の仕出し屋「百万石」のお弁当でした。
週に何度も同じ弁当が続くと「今週はこれで四百万石だよ(笑い)」なんて言い合ってました。同じ味付けが続くと飽きるのは当たり前ですが、やがてそこも閉店し、今ではその身体に優しい作り方と味付けが懐かしく、なくなって初めて有難さに気付いたものです。

今その気持ちを辨松で感じなければなりません。
後継者不足は我々にとっても頭が痛い問題です。
致し方ないとわかってはいても、やはり残念です。




2020/04/20

能楽Q&A ② 四苦八苦とは?

四苦八苦とは?

仏教の開祖であるゴータマ・シッダッタ(釈迦)は、人生の苦しみを直視して、自らの思うままにならぬ物、事の満ちあふれている様を付き止め、それをと呼んだ。
それは自己の外部だけでなくて、自己の内部にもあり、究極は人間の有限性とそれから発する自己矛盾とに由来する。

その苦を分析すると、(しょう・生まれる)・の4つが最大であり(四苦)、
ついで、

親愛な者と別れるつらさ。親子・夫婦など、愛する人と生別または死別する苦痛や悲しみ「愛別離苦(あいべつりく)」
怨み憎むものと出会わなければならない「怨憎会苦(おんぞうえく)」
求めているものが得られない苦しみ。不老不死を求めても得られない苦しみのこと。また、物質的な欲望が満たされない苦しみのこと「求不得苦(ぐふとくく)」
いっさいは苦に満ちている。人の体と心を構成している五つの要素から生まれる苦しみ五蘊盛苦(ごうんじょうく)」
 
 の4つがあげられて、あわせて八苦とされる。


 「五蘊」は人の体と精神を構成する五つの要素のこと。
全ての物質をいう「色」、感覚をいう「受」、心の中に浮かぶ像をいう「想」、欲求をいう「行」、意識をいう「識」の五つ。



これらは避けようとしても避けられず、むしろそれら苦のありのままをそのまま知り、体験を深めることによって、それからの超越、すなわち解脱(げだつ)を釈迦および仏教は説く。

のちにこの四苦八苦の語は広く日常化されて、とくに激しい苦を指して言うようになっている。




能「求塚」の後場、ワキ僧がシテの兎名日処女(ウナイオトメ)の亡霊の地獄の苦しみを救済するため経を手向ける時に謡う詞章に


種々諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅


しゅじゅしょあくしゅ じごくきちくしょう しょうろうびょうしく いぜんしっりょうめつ

現代語訳:様々な苦しみの世界。地獄、餓鬼、畜生の世界。生老病死の四苦。ことごとく消滅する





大乗妙典観世音菩薩普門本偈(だいじょうみょうてん かんぜおんぼさつ ふもんぼんげ)
の一説です。



2020/04/19

2020年6月の出演


1日(月) 東京観世会(3月振替公演)中止 竹生島(観)☆ 観世能楽堂 13:00~





6日(土) 百万石薪能 中止 車僧(宝) 金沢城・三の丸広場





7日(日) 金沢能楽会定例能 中止 金札(宝) 石川県立能楽堂 13:00~





11日(木) 日経能 延期→12/9 綾鼓(剛) 国立能楽堂





14日(日) 宝生会月並能 中止 通盛(宝) 宝生能楽堂 14:00~





18日(木) 研能会 10/17橘香会へ 景清(観) 観世能楽堂 14:00~





20日(土) 櫻詠会 開催 実盛(春) 矢来能楽堂 14:00~





21日(日) 梅若会定式能 延期→来年 仲光(観) 梅若能楽学院会館 13:00~





26日(金) 代々木果迢会 延期→来年 柏崎(観) 代々木能舞台 19:00~





27日(土) 狩野了一の会 延期→来年 邯鄲(喜)☆ 喜多能楽堂





28日(日) 京都観世会 開催 班女(観) 京都観世会館 13:00~

















☆ ワキツレ

2020/04/16

国際演劇年鑑2020に私の記事が


(公社)国際演劇協会日本センターが発行する「国際演劇年鑑2020(日本語版)」と「同(英語版)」に私の記事を載せていただいておりますので、ご紹介させていただきます。

お書きになったのは、能・狂言研究家の小田幸子(おださちこ)先生。

先生が監修、演出された新作、復曲の能には数多く出演させていただき、大変お世話になっております。我々に「離見の見 」の大切さを感じさせる演出をされる方で、とても勉強になります。
昨年は銕仙会(団長・清水寛二)の欧州公演で上演された「ヤコブの井戸」「長崎の聖母」でご一緒させていただきました。

能楽界重鎮の先生方の記事の中に交えてくださり恐れ多いのですが、これを機に尚一層の精進を重ねて参りたいと存じます。


どうか記事全部をゆっくりお読みくださいませ。






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2020/04/14

石山寺(第13番・滋賀県大津市石山寺)「源氏供養」

東大門(重文)

2019年5月23日、初参詣。

石山寺  滋賀県大津市石山寺1-1-1  

東寺真言宗の寺院。本尊は如意輪観世音菩薩。開基は良弁。
西国三十三所観音霊場 第13番札所。

「蜻蛉日記」「更級日記」「枕草子」などの文学作品にも登場し、「源氏物語」の作者紫式部は、石山寺参篭の折に物語の着想を得たとする伝承がある。

源氏供養とは、源氏物語およびその作者紫式部を供養するという、日本の中世に見られた文化である。それを題材にした「源氏供養」という題の作品が、能を始め、いくつかある。









硅灰石



本堂(国宝)

多宝塔(国宝)

芭蕉庵 / 月見亭

光堂

紫式部像


八大龍王社






正法寺(岩間寺・第12番・滋賀県大津市石山内畑町)

2019年5月23日、初参詣。