改めまして30周年、誠におめでとうございます。
当初は、「俊寛」1番に出演予定でしたが、流儀の先輩工藤氏病気療養中のため、私が
「朝長(ともなが)」を代演、2日連続の出勤となりました。
無事に勤めることが出来、正直ほっとしております。
この舞台については本当に思い入れがあります。
銕仙会の方々は、ほぼ毎週火曜日の朝9時より、この舞台で稽古能を行っています。
我々ワキ方も勉強のため、その稽古能にお邪魔して研鑽を積ませていただきます。
まだ本番での役が付かない20代の頃は、この稽古能のため、師匠に稽古をしていただき、稽古能に挑戦するわけです。
本番で何回が経験済みの曲でも、更なる勉強のため、稽古能に今でも参加させていただいております。
ここでの経験が、自分の血となり、肉となっているのは間違いありません。
ワキ方の修行は直接的には自分の師匠から教えていただくわけですが、おシテ方やお囃子方から教えていただく事も少なくありません。
先代銕之丞先生や銕仙会の大先輩には、いろんな事を教えていただきました。
もちろん今でも!
また経験を積めば積むほど、新しい疑問点や迷いも生じてきます。
今でもこの稽古能は、とても大切な研鑽の場です。
本当に感謝しております。
稽古能だけでなく、ワキツレが主の頃、本番でその空間に座っているだけで、あらゆる事が勉強になります。
先代の地頭で座っていると、完全にその曲の世界に入ってしまい、足の痛さを忘れる(我慢できる)のです。
公演の場合、満員でも200人弱。
大変凝縮された濃密な空間で、舞台と客席との距離も近いため、お客様にも人気が高く、演者にとっては気の抜けない能舞台です。
座布団の上に座って見るため、長い曲ですと、お尻が痛くなる可能性がありますが、「この舞台で見た能は忘れられない」と言っていただけるよう、ワキ方としても、真剣に役を勤めてまいりたいと思います。
銕仙会の皆様に心より御礼申し上げますと共に、今後とも宜しくお願いいたします。
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