2020/04/21

辨松閉店 残念です!

能を志し東京に出てきて、都内の能楽堂の楽屋弁当の豊富さに、田舎者の私は先ず驚きました。
お店によって味が違い、楽屋働きで師匠のお供をする私の楽しみの一つでした。

辨松のお弁当は若い頃の自分には甘さが強すぎて、少し苦手なお弁当でした。
でも年齢を重ねるにつれ、その甘辛さがとっても美味しく感じられ、50歳を迎える頃には、大好きなお弁当の仲間入り。

能楽師にとって楽屋弁当と言えば、代々木上原の仕出し屋「百万石」のお弁当でした。
週に何度も同じ弁当が続くと「今週はこれで四百万石だよ(笑い)」なんて言い合ってました。同じ味付けが続くと飽きるのは当たり前ですが、やがてそこも閉店し、今ではその身体に優しい作り方と味付けが懐かしく、なくなって初めて有難さに気付いたものです。

今その気持ちを辨松で感じなければなりません。
後継者不足は我々にとっても頭が痛い問題です。
致し方ないとわかってはいても、やはり残念です。




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