2014/01/06

文様 ② 唐草模様 ~角帽子


今回は唐草模様(唐草文)の中で、ワキ方が僧役の時に使用する角帽子の唐草模様を紹介します。
柄の正式名があるとは思いますが、不勉強ですので写真でお見せします。


上図のような大柄な唐草模様は角帽子には使いませんが、皆様ご存じの柄ですね。
 
唐草模様とは、葉や茎、または蔦などの蔓(かずら)植物が伸びたり絡んだりした形を図案化した植物模様の、日本での呼称です。
 
複数の曲線や渦巻き模様を組み合わせることで、つるが絡み合う様子を表し、多種多様な唐草模様があります。


日本への伝来は、ギリシャ→エジプト→メソポタミア→シルクロード→
中国と言われ、唐草とは「中国伝来の植物模様」という意味でしょう。
 
日本では、奈良時代に伝来した様式が、次第に和様式に変化し、有職模様に用いられた。


上図の模様を見て、皆様は泥棒のかぶり物を連想されるかもしれませんね。図案化されていて、葉に当たる部分などは簡略化されていて、ほとんど原型をとどめていません。
しかしこの柄は、獅子舞のかぶり物としても有名で、模様の切れ目がない事から、「家が途絶えることがない」として、とても縁起が良い柄と言われています。


金沢の実家にあります角帽子の柄をいくつかご紹介しましょう。
写真では手の影が感じられたり、地色が分かりずらいと思いますが、どうかお許し下さい。

 
 
同じ柄の色違いをもう一つ
 
微妙な違いを御覧下さい。
 
 
 
 
少し変わったものもあります。
 
数々の図案化され宝が蔓で繋がれています
 
よく御覧下さい。
図案化された「寿」と「福」の字が見えます。
 
 
 
唐草模様の柄の角帽子は、諸国修行・行脚をしている僧役で主に使います。
能の冒頭で舞台設定をするワキ僧の角帽子の柄を見て、曲のイメージを膨らませるのも、能の面白い見方かもしれません。

 

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