2015/03/30

2015/3/28 観世能楽堂さよなら公演「松風」




先週土曜日は、観世能楽堂さよなら公演「松風(シテ梅若玄祥師)」に出演させていただきました。

現観世流を代表する錚々たる楽師が総出演するこの公演に、「松風」のワキで出演させていただけた事、大変光栄に存じます。
観世宗家、観世会の皆様に心より御礼申し上げますと共に、何よりもって師匠の宝生閑先生に感謝申し上げます。


この能楽堂が落成したのは1972年4月ですので、私が12歳の時。勿論私は金沢におりましたので、舞台披きの公演は存じません。

楽師を始め、いろんな方々がたくさんの想い出をお持ちのことと存じます。

私とても様々な想い出のある舞台に出演させていただきました。

金沢から上京し、甘えの一切ない真剣勝負の舞台の数々に感激し、自身も研鑽を積ませていただきました。
楽屋働きから始まり、ワキツレに初めて出演した時のこと、今でもはっきり覚えております。

特に観世別会で「道成寺」や「卒都婆小町」を勤めさせていただけたことは、只々感謝の気持ちでいっぱいです。



あまりご存じない方がいらっしゃると思いますが、この能楽堂の2階には、小規模の舞台がございます。

 
1階の本舞台は、銀座松坂屋跡地を中心とした再開発地区に建築中の複合ビル内へそのまま移築するようですが、この2階舞台は取り壊しとなります。

この舞台にも忘れられない想い出があります。

私が東京藝術大学の入学試験のために上京し、入試の課題曲の仕舞「春栄」と「蟻通」の稽古を、宝生閑先生につけていただきました。

緊張からか異常な程の心臓音が聞こえ、手足は震えながら、先生の舞われる後ろに付いて舞台を歩いていたことを思い出します。




本当に感慨深い舞台で大変残念に思いますが、「さよなら」は新しい門出です。

銀座での新能楽堂に新たな気持ちで立てるように、これからも精進を続けたいと思います。

 

 

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