2015/03/03

2015/3/1 粟谷能の会 「三輪・神遊」「正尊」



3月1日(日)は、国立能楽堂にて開催されました、粟谷能の会「三輪・神遊」に出演させていただきました。

第97回を数えますこの会は、故粟谷新太郎の十七回忌追善と題が打たれておりました。
もう十七回忌になるのですね。先生のお舞台には数回ワキで、ワキツレは数えきれません。



「三輪・神遊」

この神遊(かみあそび)の小書きは、私は今回で二回目。

喜多流の楽師の皆様が、小書きの中で一番大切にされているものと伺っております。

三輪の小書きの中では、観世流の白式神神楽(はくしきかみかぐら)を思い浮かべますが、喜多流の神遊は、白式の荘重さを備えつつも、神楽の前後部分に著しい変改があり、まさに神能。

特に「人の面、白々と見ゆる」の後の舞の部分で、橋掛かりへ行き、囃子方が総流しの手を打つところで、シテが橋掛かりから一気に舞台へ入り、「面白や・・」に謡になる場面は、ほんとファンタジーを感じます。

シテ能夫師の荘厳さ、アイ万作師の物語の骨格を明確にする芸力、挙げればきりがありません。

本当に改めて勉強になる一番でした。

最後に中入りのあの短時間で、あの暗い作り物の中で、鬘まですべて付け替えるという難役の後見を見事に勤めた狩野了一師の貢献も書いておきます。




「正尊」

私は楽屋から拝見しました。

シテ 粟谷明生師 ワキ 森常好師 両師の気迫がぶつかりあった見応え十分な舞台でした。

装束や型などに、工夫を凝らした明生師。変更の理由を明らかにするところは、潔いと尊敬します。

「正尊」はカケリという部分に、義経方と正尊方の斬り組があります。

若手の人たちが舞台に大勢出るため、楽屋の残っている方は、三輪に出られた先生方のみ。

大先輩や87歳の粟谷辰三先生までが、懸命に装束付けをなさっているので、私も立衆の装束を2人ほど着けさせていただきました。

舞台上の役者と楽屋にいる役者の心が一つになった、演能会でした。

 

 

 


 

0 件のコメント:

コメントを投稿