一昨日は観世能楽堂にて、能楽協会東京支部主催の『納涼能』でした。
満員のお客様にお越しいただき、心より御礼申し上げます。
私は喜多流「高砂」のワキで出演させていただきました。
「高砂」の前場では、老人夫婦のシテとシテツレがそれぞれ箒(ほうき)を持って登場しますが、普段観世流や宝生流を主に御覧になってる方は、あれっと思われたのではないでしょうか。
前場のシテとシテツレが二人とも丸い杉箒を持って登場。
これは宝生流謡本の中のページです。
下の図のように、宝生流ではシテの老人がサラエを持ち、シテツレの姥が杉箒を持ちます。
観世流もそうです。
楽屋で各流の方に確認しましたら、二人とも杉箒を持って登場するのは、喜多流と金春流だけ。
同じ下掛りの金剛流もそうかと思いましたが・・・
能の場合、流儀によって詞章や型という動き方が違うのは御承知とは思いますが、面、装束を始め、持ち物まで変わってきます。
お客様もご贔屓の流儀の能だけでなく、他流の能を御覧いただくと、新しい発見が必ずあるはずです。
能楽協会主催の催しは、一度に何流の能が観られるという特徴があります。
またご紹介しますので、どうぞ宜しくお願い致します。
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