2012/04/14

2012/4/13 銕仙会 「西行桜」



今日は銕仙会 「西行桜」 シテ浅見真州 のワキを勤めてまいりました。西行法師です。

あらすじ
都西山の西行の庵には見事な桜の老木が満開の花を咲かせている。西行が
一人心静かに桜を眺めていると、その桜目当てに花見客が訪れる。客を厭う
西行は世捨て人となっても俗世と離れられないことを嘆き、その煩わしさも
「桜の咎(とが)」だと歌に詠む。


花見にと 群れつつ人の 来るのみぞ あたら桜の 咎にはありける

やがて日も暮れ、桜の木陰に佇む西行の夢の中に老人姿の桜の精が現れ、
「桜の咎」という西行に反論し、桜の名所を数え上げて閑寂な舞を舞う・・。


和歌の冒頭の部分は、当流が「花見にと」、観世流は「花見んと」と違っております。普通はワキがシテに合わせるのが大半ですが、歌が若干違ってても構わないという意見もあり、この部分はワキは流儀の言葉のまま謡うことが多いのですが、今日はシテがワキの言葉にお付き合い下さいました。別に何も相談はしておりませんが、おシテのご判断でしょう。流儀としても、こちらが変えるのか、はっきりさせておかなければいけない事かもしれません。


ワキにとっては、花見客が退場するまでの場面設定を表す謡やセリフ、また日が暮れてシテとの対話の謡が大変気を使うところです。揺れ動く気持ちを謡やセリフで表現するのですが、今日のお客様はどう感じられたでしょうか。少し若い西行をイメージして勤めたつもりですが・・・
終える度に課題が見つかります。

浅見先生の重厚な謡や、老木の桜の精とはいえ信念を感じさせる力強い序ノ舞が素晴らしかったです。


本来おシテの筈でした浅井文義氏は少し体調をくずされて、浅見氏に変わったのですが、一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

満員のお客様、誠に有難うございました。




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