2020/08/07

我が家に新しい格子が

我が家に新しい格子(こうし)の厚板が2具増えます。
まだ反物の状態で仕立てはこれからですが、仕立て上がりが今から楽しみです。









写真だと色の具合が正確に伝わらないですね。

ワキ方が大、中、小の格子の着付けを使い分ける場合、大格子(おおごうし)は強い曲の山伏など、中格子(ちゅうごうし)はやや静かめの曲の山伏や沙門帽子を被った僧、小格子(こごうし)は大口という袴をはいている大口僧(おおくちそう)など。
もちろんその枠に全部をはめ込むことはできませんが、大別するとこうなるかと思います。

また別の見方をすれば、格子の柄が細かいほど品があり、柄が大きくなるほど強く、品位で言うと下がってしまうという事かと思います。

この柄ですと中格子になりますが、我が家は少し中格子が不足しておりましたので、これで使い勝手が良くなるかと思います。

柄だけ見ると少し狂言っぽいと感じられると思いますが、ワキの装束はシテと狂言の間の感じの装束(難しい言い方ですが・・)が一番使いやすいので、僕は充分行けるとみております😉



格子の着付けを能装束屋さんに注文する時は、見本を出して同じ感じのものを作ってもらう、また柄を同じにして色合いを少し変える、また装束屋さんから「こういうのはいかがですか?」と言われてお願いする場合、いろんな作り方があるのですが、そう何回も打合せに行けないので、なかなか思ったとおりにできないことが多く、大変難しいのですが、今回は京都のSO製作所(代表:大江史郎)さんに格子の布地を手織りで織っていただきました。

私も京都の工房へ伺って、柄や織り合わせる糸を染める色まで綿密に打合せ、また大江さんはご丁寧に仮織りの色具合まで見せてくださり、私にとっては納得のいく良い格子の布地ができたと感謝しております。

大江さんの工房でご自身が織ってらっしゃる写真をいただきましたので、ご紹介いたします。





大江さんからSO製作所およびご自身の活動の紹介文を作っていただきました。



SO製作所は、
西陣絣加工師の三代目である大江史郎が、グラフィックデザイナーとして10年・織物製作に15年携わってきた経験を生かし立ち上げた京都・三条にあるテキスタイル製作所です。
京都にある染織の技術を垣根なく駆使して、ニーズに合わせたモノづくりをすることで、技術と文化を継承することを目的としています。
これまでの細かく仕切られた分業制から脱却するため、若手中心で最小限の工場ネットワークを作り、製品化できる体制を整えており、小ロット生産を可能にしています。

また、西陣絣加工師や工芸文筆家・染織作家と共に立ち上げた「いとへん universe」の製造部門を担っており、現代生活に合った様々なアイテムをプロデュースする傍ら、染織の素晴らしさを伝えるためワークショップやイベントを積極的に開催しております。

いとへん universe
http://itohen-univers.com




素晴らしいですね。
我々舞台衣装を使うものとしては、大変心強いパートナーだと思います。今後とも宜しくお願い致します。

同業者をはじめ、舞台衣装を手掛ける方々に、私からも宣伝させていただきます。

仕立て上がりましたら、またUPします。
最後になりましたが、大江様、本当にありがとうございました。





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