2014/02/12

二人静



登場人物(登場順)

ワキ    勝手神社の神職
アイ    下人
シテツレ  菜摘女
前シテ   里の女
後シテ   静御前の霊


吉野の勝手明神の神職(ワキ)が、正月七日は例年、菜摘川で若菜を摘んで神前にお供えすることを言う。菜摘みの女の帰りが遅いので、下人(アイ)に早く帰るように申し付ける。

春とはいえ、吉野山は雪景色である。女たちが摘んでいると、里女(前シテ)が声を掛けてくる。里女は「吉野に帰って神職を始めとする人々に、罪深い女が弔ってほしい、と言っていることを伝言してほしい」と言う。
また「もし不審に思う人がいた時は、あなたに憑いて、詳しい話をしましょう」と言うと、浮き草の蔭に消えるように姿を消した。

中入り

菜摘女は急いで戻って、神職に報告している途中から、菜摘女の様子が変わって、自分自身を責めていて、まるで別人のようになった。
神職は何かが女に憑いたと思い、その名を尋ねて、おもむろに跡を弔うことを約束すると、菜摘女の口から、判官義経に仕えた者だと言う。

神職がなおも声の正体を聞くと、静御前であることが分かる。静御前は舞の上手で、この社には静御前の舞の衣装が納められているから、それを着て、ひとさし舞ってほしいと女に言う。

物着

着替えた女は舞を舞う。義経の最期を舞い示しているうち、菜摘女の背後に、同じ装束を着た者(後シテ)が連れ添うように舞っている。

序之舞(相舞)

影のように寄り添って舞う二人は、「静が跡を弔い給え」と神職に頼み終曲となる。





義経との別れを悲しむ静御前の心残りが主題。
 

2 件のコメント:

  1. とても幽玄な感動的な舞台でした。楽しかったです。

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  2. 御来場有難うございました。
    普通の舞台でやってもシテとシテツレは大変なのに、あのようにとても暗い蠟燭能では、多分自分の立ち位置さえも不安でしょう。お二人には本当にお疲れ様でしたと申し上げたいです。

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