先月9日は熊本市にて、喜多流狩野先生の追善会に出演。翌日10日は舞台がなかったので、もう1泊して、能「檜垣」の舞台でもある史蹟を訪ねに出かけました。
朝ホテルを出る前は少し曇り空でしたが、レンタカーを熊本駅で借りて雲巌禅寺へ向かう途中から、俄かに晴れてきました。
雲巌禅寺
熊本市内の北西 金峰山の西麓に位置し、”岩戸観音”の名で親しまれている。四面馬頭観音が祀られている。また寺の奥には宮本武蔵が「五輪書」を書いた洞窟・雲巌洞があり、洞内には岩戸観音が祀られています。洞への道中に安置された五百羅漢は、釈迦の教えが身分階級を分かたず、あらゆる人々に対して平等であったことを訴えています。
お決まりの「謡曲史跡保存会」の立て看板
帰り道でふと見つけた、檜垣の女の「詩詠場」。今は荒れ果てて訪れる人もなしか・・・
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手前の小山の右端の辺りか? |
雲巌禅寺のある岩戸の里公園の駐車場の近くに、有明海を望む黒岩展望所があります。能「檜垣」の冒頭、ワキが岩戸の景色を見ながらサシ謡を謡う場面。まさにこの景色であったかと感動しました。また次回「檜垣」を勤めることがあれば、この景色を思い浮かべたいと思います。
ワキ 名乗
是は肥後の国岩戸と申す山に居住の、僧にて候。さてもこの岩戸の、観世音は。霊験殊勝の、御事なれば。しばらく逗留し所の、致景を見るに。
南西は海雲漫々として。萬古心の内なり。人稀にして慰み多く。致景あって郷里を去る。誠に住むべき霊地と思いて。三年が間は居住仕って候。
ここにまた百(もも)にも及ぶらんと、おぼしき老女。毎日閼伽(あか)の水を汲みて、来たり候。今日も、来たりて候はば。如何なる者ぞ名を尋ねばやと、思い候。
能「檜垣」のあらすじは、檜垣②「蓮台寺」のところで書きましょう。
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