先月28日(土)は京都にて、京都能楽囃子方同明会能 「羅生門」のワキツレ保昌(ほうしょう)を勤めさせていただきました。
同明会は今年で60回との事。長い歴史、誠におめでとうございます。
もう25年くらい前になるのでしょうか。
一度「屋島・大事」のワキツレでお邪魔しております。
「羅生門」 シテ 片山九郎右衛門師 ワキ 宝生欣哉師
ワキツレ頼光は高安流の原大氏、保昌が私、立衆は下宝の大日方寛氏と高安流の岡充氏、有松遼一氏、小林努氏という配役でした。
言わば異流共演。
欣哉師が京都側からの依頼で、京都の若手高安流の方々のお稽古の手助けをされているということから、このような配役になったのでしょう。
ワキの異流共演は、まったくなかったわけではなく、以前能楽座で「鳥追舟」が出た時、流儀の宝生閑先生と福王流の福王茂十郎先生が、日暮と左近尉の役を一度ずつ入れ替えて勤められていた記憶があります。
私ももう20年以上前ですが、復曲「治親(はるちか)」で、福王和幸師と私が兄弟の役で、ワキの福王茂十郎師と3人でセリフの掛け合いをした事があります。
昨今、能の演能回数が徐々に減ってきていることを考えると、将来ワキ方の人数も減ってくる可能性があります。
異流共演。
今あるワキ方三流は、勿論流儀の主張が異なりますが、主ワキツレのようなある程度独立した役に於いては、異流で勤め合うのは可能かと思いますし、将来的には致し方ない事態が来るかもしれません。
お互いの謡や型、主張を尊重しつつ、各お家元の了承を得た上での配役ならば。
しかし問題もあります。
これが興業の物珍しさを狙った配役だったり、各流儀内だけの配役が可能なのにそれを行ったり・・・
これではお互いの流儀にとっても損出は大きいでしょうし、能楽界のシステムを壊してしまいます。
とにかく慎重に考えていかなければなりませんね。
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