金沢能楽会の長老、宝生流シテ方の渡邊容之助師がご逝去されました。
度々入院されても必ず復帰されて、お元気なお姿で舞台をお勤めになられていたので、先日の北國宝生能でお顔を見ることができなくても、また近いうちに復帰されることを念願しておりましたが、寂しい気持ちでいっぱいです。
私の父よりは確か5つ年下でいらっしゃったかと思いますが、父は64歳で亡くなっておりますので、当時はまだ若かった私を随分ご心配下さり、あたたかい言葉をたくさんかけてくださいました。子供の頃からお相手をさせていただいた舞台は数えきれません。
大変温和な方で、大声を出されてる姿は一度も見たことがありません。また廻りの人のことを大変気遣い、我々中堅若手の話し合い(すぐ飲み会になってしまうのだが・・)にも積極的に参加され、ほとんどは黙って聞いてらっしゃるのですが、大事な時に適切なご意見で我々を導いて下さる、本当にお優しく、心配りが素晴らしい先生でした。
重厚なお舞台を拝見できない寂しさは勿論ですが、昔の能の事や、能のいろいろな事に大変お詳しい先生でしたので、もうお話しを聞けないのかと思うと残念でなりません。文才にたけてらっしゃったので、北陸の能楽の発信にもご尽力下さいました。
昨年秋に容之助先生から戴いた写真を掲載させていただきます。
左から 父保輔(当時 保雄)、容之助師、住駒明弘師
金沢の何処かでの宴会時の写真でしょう。30代の頃でしょうか。
先生、ご長男の茂人君はもう十分ご立派になられましたし、我々も茂人君と協力して
金沢の能を盛り上げていきますよ。ご安心下さい。
最後になりましたが、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌。
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